パロサントの倫理的な調達と、本物の見分け方
その言葉が本当は何を意味するのか、ペルーの法律は何を求めているのか、そして私たちを含むどの仕入先をどう確認すればよいのか。
「倫理的な調達」は気分ではなく、書類の連鎖です
ネット上のパロサントの商品説明のほとんどに「サステナブル」「倫理的に調達」と書かれています。しかし、誰がどの許可で採取し、どう確認できるのかを書いているものはごくわずかです。この言葉は飾りになってしまいました。
本来の意味は具体的で、良い意味で退屈です。木が自然に倒れた。誰かがそれを拾う法的な許可を持っていた。木材はその許可を記した書類とともに移動した。そして輸出者はその書類をあなたに渡せる。写真も、聖なる森の物語も、この4つが本当かどうかの後に来るものです。
このページでは、何を確認すべきか(私たちに都合の悪い部分も含めて)を説明し、そのうえで私たち自身の流れを同じ基準で示します。
パロサントと呼ばれる木は3種類。私たちのものはそのうちの1つです
パロサントが絶滅危惧種かどうかをめぐる混乱の多くは、名前の衝突から来ています。少なくとも3つの無関係な木が同じ名前で呼ばれ、法的な扱いはまったく異なります。
- Bursera graveolens:ペルーとエクアドルの木
- 乾燥林の木で、倒木がお香として焚かれます。私たちが販売しているのはこれです。IUCNの評価は「低懸念(Least Concern)」で、ワシントン条約(CITES)の附属書には掲載されていません。
- Bulnesia sarmientoi:グラン・チャコの木
- アルゼンチン、パラグアイ、ボリビアの硬木で、グアヤクウッドやベラウッドとしても流通し、パロサントとも呼ばれます。CITES附属書IIに掲載されており、国際取引には許可が必要です。「パロサントは保護対象」と書く記事の多くが実際に指しているのはこの木です。
- Guaiacum属:カリブ海と中米の木
- Guaiacum officinale と Guaiacum sanctum。こちらもパロサントやグアヤカンと呼ばれ、CITESに掲載されています。科も木も違い、スペイン語の名前だけが同じです。
パロサントは絶滅危惧種なのか。正直な答え
Bursera graveolens については、絶滅危惧種ではありません。IUCNレッドリストでは低懸念、CITESには未掲載。これが事実に基づく答えで、曖昧さが木をより多く売ってくれるとしても、私たちは事実を伝えます。
現在の状態より興味深いのは規制の歴史です。ペルーは2006年に政令でこの種を絶滅のおそれがある種に指定し、そのとき「自然に倒れた木、または枯れた木しか採取してはならない」という規則が生まれました。2014年にこの種はペルーの保護リストから外されましたが、採取の規則は残りました。
しかし、種の保全状況は問いとして間違っています。ペルー北西部でのパロサントの違法伐採は、記録された現在進行形の問題で、この木を有名にした需要そのものが原因です。世界的には低懸念でも、値段が良いからと生きた木を伐る人々によって、特定の乾燥林から消えることはあり得ます。だから仕入先に聞くべきなのは「絶滅危惧種ですか」ではなく、「このロットは具体的にどこから来て、誰がそれを証明しますか」なのです。
ペルーの法律が実際に求めているもの
パロサントは林産物で、ペルーでは林産物の移動は国家森林野生動物庁(SERFOR)の監督下にあります。重要な書類は3つです。
- 採取許可
- 特定の区域から木を持ち出すには、誰かが許可を受けていなければなりません。これがなければ、木が立っていたか倒れていたかにかかわらず、ペルー国内で合法ではありません。
- 森林輸送許可証
- ペルー国内を移動する木材は、その積荷を採取許可に結びつける許可証とともに運ばれます。検問で求められるのはこれで、一袋の木と場所をつなぐものです。
- 植物検疫証明書
- 輸出には植物検疫の証明書が必要です。輸入国の税関は日常的にこれを求め、その不備はパロサントの貨物が止められる一般的な理由の一つです。
倒木は妥協ではなく、唯一価値のある材料です
倫理的に調達すると製品が劣る、という物語がありますが、パロサントでは逆です。その理由を理解すると、法的な枠組み全体が信頼しやすくなります。
香りは樹脂から来て、樹脂は木が枯れて森の地面に何年も横たわって初めて濃縮されます。生きた木を伐って得た木材はほとんど無臭です。「自然に倒れて熟成した木しか採取してはならない」という規則は、生産者が抜け道を探す制約ではなく、顧客が求めるものを実現する唯一の材料を記述しているにすぎません。
これは買い手にとって実用的なテストでもあります。香りが弱く、数秒ごとに火を付け直さなければならないスティックは、たいてい若い木か生木です。品質の低さと出所の怪しさは、同じ箱で届くことが多いのです。日本市場では、精油を添加した別の木材が「パロサント」として売られている例もあると、訪問されたお客様から伺いました。
森からお客様の元へ
責任ある採取
ピウラ県ラス・ロマスの乾燥林で、自然に倒れて3〜4年経った Bursera graveolens だけを採取します。生きた木は伐りません。
SERFORの許可
採取はSERFOR(国家森林野生動物庁)の許可のもとで行い、採取許可と森林輸送許可証が各出荷に付随します。
手作業の選別
一本ずつ、樹脂の含有量、密度、香りを確認します。選別を通った木だけがパロサント・プレミアムになります。
工房での加工
リマの自社施設で切断、清掃、包装を行います。木の性質を損なわず、精油分を保つ工程です。
植林
輸出したロットごとに、ラス・ロマスの共同体とともに新しいパロサントを植えます。
完全なトレーサビリティ
森からお客様の元まで。各出荷にSERFORの書類、植物検疫証明書、森林輸送許可証を添付します。
どの仕入先にも使える、5つの確認質問
これは私たちにも、他の誰にも通用します。すぐに答えられない仕入先が必ずしも悪いことをしているわけではありませんが、そうでないことを証明できる立場にないのは確かです。
- 1. 生産者ですか、それとも再販業者ですか
- 再販業者は採取許可を見せられません。持ったことがないからです。それが違法だという意味ではありませんが、トレーサビリティの問いが一段遠くに移り、たいていそこで止まります。
- 2. 直近のロットの森林輸送許可証を見せてもらえますか
- 善意の証明書ではなく、実際の木を動かした実際の書類。名前、日付、数量。
- 3. どの地域から来ていますか
- 「ペルー」ではなく、具体的な答え。パロサントは広い範囲に生え、北西部の乾燥林は良い木と違法伐採の両方がある場所です。
- 4. 会社の納税者番号は何で、書類上の輸出者と一致しますか
- ペルーではRUCです。私たちは 20600767861、Munay Ki Peru SAC。インボイスの名前と森林関係書類の名前が別会社なら、理由を聞いてください。
- 5. 私の税関が書類を求めたらどうなりますか
- 答えは安心させる言葉ではなく、書類のリストであるべきです。仕入先が誰かに聞きに行かなければならないなら、リスクを負っているのはあなたです。
実際にこの木を採取しているのは誰か
私たちの木は、ペルー北西部ピウラ県ラス・ロマス周辺の乾燥林から来ています。採取しているのはそこに暮らし、何世代にもわたってこの仕事を続けてきた家族です。季節ごとに送り込む作業班ではありません。
これは公正さ以上の理由で重要です。10年後も同じ森で採取しているつもりの人は、その森が残ることに直接の利害を持っています。重量で支払われる外部の作業班にはそれがありません。乾燥林を保つのは取り締まりではなく、鉈を持つ人に気にかける理由があるかどうかです。
輸出したロットごとに、同じ共同体とともに新しいパロサントを植えています。検証できない数字で相殺を主張するつもりはありません。乾燥林の若木は厳しい環境にあり、私たちには数十年分の生存データがないからです。これは守り、お見せできる約束であって、帳簿上のトリックではありません。
卸売で購入するなら、これは通関の問題でもあります
数キロを買う小売店にとって、調達は価値観の問題です。輸入業者にとっては業務上の問題でもあります。正しい書類のないパロサントのコンテナは止められることがあり、その費用は輸出者ではなく買い手に降りかかります。
私たちが送る全ての貨物には、SERFORの書類、森林輸送許可証、植物検疫証明書が付きます。日本側の輸入で特定の要件がある場合は、見積もりの段階でお知らせください。対応できるかどうか、何を送るかをはっきりお答えします。米国とEUには固有の規則(レイシー法、EU森林破壊防止規則)があり、その詳細は英語版のページにまとめています。
数量とお届け先をお知らせいただければ、仕向地までの費用と、その市場向けの書類一覧をお送りします。
よくあるご質問
- パロサントは絶滅危惧種ですか。
- お香として焚かれるペルー・エクアドルのパロサント Bursera graveolens は、IUCNで低懸念に分類され、CITESには掲載されていません。「パロサントは絶滅危惧種」と書く記事が通常指しているのは、グラン・チャコの別種 Bulnesia sarmientoi で、こちらはCITES附属書IIに掲載されています。
- ペルーでパロサントの木を伐るのは違法ですか。
- 採取できるのは自然に倒れた木、または枯れた木だけで、しかも許可が必要です。ペルーは2006年に政令でこの種を絶滅のおそれがある種に指定し、2014年に保護リストから外しましたが、採取の規則は有効なままです。
- 仕入先のパロサントが合法かどうか、どう確認できますか。
- 具体的な直近ロットの採取許可と森林輸送許可証を求め、木がどの地域から来たかを尋ね、インボイスの会社が森林関係書類の会社と同じか確認してください。生産者である仕入先なら、ひとつのメッセージで全部答えられます。
- 本物のパロサントは香りが違いますか。
- はい、より良い香りです。樹脂は木が枯れて森の地面で熟成した後にしか濃縮されないので、合法的に採取された倒木こそが樹脂の多い木です。伐ったばかりの生木はほとんど無臭で、だから出所の怪しいスティックは香りの弱いものになりがちです。
- 輸出貨物にはどの書類が付きますか。
- SERFORの森林関係書類、森林輸送許可証、植物検疫証明書です。日本側で他に必要なものがあれば、見積もりの段階でお知らせください。ご注文前に、用意できるものを確認してお答えします。
- 木を植えていますか。
- 輸出したロットごとに、ラス・ロマスの採取共同体とともに新しいパロサントを植えています。数十年分のデータがないため生存率は公表しません。数字を作るより、そう言う方を選びます。
